製品化と知的財産権

知財・許認可

新しいアイデアを製品化するにあたって、まず検討しなければならないのが、この知的財産権です。

具体的には、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権等のことを指します。人が知的な活動を通して生み出した創作物を、保護するためにある権利で、企業の競争手段として使われることもあり、無形の財産として法律の下に保護されます。

新しく製品化しようとしているものが、これらの権利を侵害していないかどうか、あらかじめ検討しておくことは、結果的にお金と費用の節約になるばかりでなく、リスクマネージメントとしても大切なプロセスと言えます。

各権利の取得までの費用は、参考価格ですので、実際の価格は個別に弁理士事務所とよく相談して下さい。

製品化と知的財産権一覧


① 特許権

特許権とは、「発明などの知的活動によって生じた無形の財産権」を言います。発明者が苦労して研究開発した成果(無形の財産)に法的な保護を与えることによって、発明を奨励し、産業の発展に寄与しようというのがそのねらいです。しかし一定期間とはいえ、製造や販売などの独占権を与えるということは、とても大きな権利なので、その審査はとても慎重に行われます。

  • 有効期間 出願から20年
  • 特許取得の手続き 出願→出願審査請求→意見書・補正書→特許確定
  • 特許取得までの期間 平均4~5年かかります。
  • 費用 出願料+審査請求(1項目)+特許料(1年間)=¥197,000
  • 出願書類作成等の弁理士費用 30万~50万 合計で50万~70万程度の費用がかかります。

② 実用新案型

実用新案権と、特許権との違いは、有効期間の他、実態審査を行わず実用新案権を書類の不備がなければ、出願時に取得できる事です。但し、実際の権利行使を行う場合、特許庁による技術評価(別途特許庁に申請)が必要になります。無制限で権利を保障するものではありません。

  • 有効期間 出願から10年
  • 実用新案取得の手続き 出願するだけで権利取得
  • 権利取得までの期間  約6ケ月
  • 費用 出願料+技術評価請求料(1項目)+登録料(1年間)=¥63,600
  • 出願書類作成等の弁理士費用 30万~50万  合計で35万~60万程度の費用がかかります。

③ 意匠権

物品(具体的には家具、家電製品、洋服等)のデザインを保護するものです。

  • 有効期間 登録日から15年
  • 権利取得までの期間  約6ケ月~1年
  • 費用 出願料+登録料(1年間)=¥24,500
  • 出願書類作成等の弁理士費用 20万~30万  合計で23万~33万の費用がかかります。
  • 審査過程で拒絶の場合は、別途不服審判料(¥35,000)が、合計金額に追加されます。

④ 商標権

文字や図形等からなるマークで、商品やサービスに付属するものについての権利を保護します。

  • 有効期間 10年 但し更新で永久使用可
  • 取得までの期間  約6ケ月~1年
  • 費用(1業種の場合 )  出願料+登録料(10年間)=¥87,000
  • 出願依頼作成等の弁理士費用 17万~20万 合計で25万~28万の費用がかかります。
  • 審査過程で拒絶の場合は、別途不服審判料(¥55,000)が、合計金額に追加されます。