最新の試作実績

NEW PROTOTYPES
#19-02 擬似咀嚼音提示システム

【概要】
産業技術総合研究所(以下、産総研)が取り組む「高齢者の咀嚼嚥下(エンゲ)機能を支援するための食事支援技術開発」の一環として、産総研からの依頼にもとづいて擬似咀嚼音生成装置のプロトタイプを改良し、装着性と耐久性に優れた装置を試作した。

咀嚼嚥下機能が低下すると通常食から介護食へと食事を切り替えなければならなくなる。しかし、介護食は、どれもやわらかく噛みごたえに乏しい。しかし、咀嚼動作に合わせて咀嚼音を聴かせることによって噛み応え感が増すという実験結果が得られている。本装置はその結果に基づいて、介護食の食感を改善することを目的に作られた。
これまでのプロトタイプを改良し、装着性と耐久性に優れた試作機の開発。
約130gと軽量化し、電極接触状態を最適に維持できるよう頭部形状の個人差に配慮したデザインとなっている。また、プロトタイプにおけるイヤホンやヘッドフォンによる咀嚼音の出力部は骨伝導方式とし、閉塞感を生じないように耳を塞がない配慮がされている。

側頭筋の筋電図を測る電極はボールジョイント可動。基板が収納されているケース部はたわみを作ったステンレスロッドでジョイント。これにより様々な頭部の大きさ、形状に対応できるデザインになっている。

プロトタイプにおいて重量物となっていたデジタル信号処理部の入出力回路を再設計して回路の軽量化を図った。