【概要】
大阪大学医学部附属病院が感染症患者搬送用アイソレーターを作ることを企画。クラウドファンディングで資金を集めて、消防・防災用品専門商社の赤尾(※)の依頼でプラムネットが製作した。
アイソレーターとは陰圧式空気清浄装置を搭載し、感染を予防するための装置です。
長さ2000×幅600×高さ700mmの感染症患者を覆う樹脂製透明カプセルのアイソレーター。既存のストレッチャーに乗せてドクターカーで搬送します。
陰圧式空気清浄装置を備えているので、周りのドクターや救命士の安全が確保される。透明なカプセルなので搬送時の患者の容体急変にも迅速に対応可能。従来のビニールカバーに比べ清掃消毒時間を大幅に短縮できる点もメリットが大きい。
カプセルには前後2箇所に開閉式手入れ窓を設置。
搬送時に容体が急変した患者をこの窓から手を入れて対応できる。窓を開けても陰圧装置によって常に空気が吸い込まれているので排気がここから出ることはない。排気は足下下部から超高性能なULPAフィルターを通って排気される。
バッテリーを搭載し、院内からドクターカーまで陰圧装置がOFFになることはない。ドクターカーに入って100V電源の供給になると自動的に切り替わり充電も行われる。
患者足元には人工呼吸器、シリンジポンプなどを乗せるテーブルが設置されている。
アイソレーターをドクターカーに入れた状態。
患者容体急変に即時に対応できるよう、カプセル後部の蝶番によりカプセル前部は斜め上に吊り上げることができる。
クラウドファンディングで出資して頂いた方を対象に大阪大学のグラウンドでお披露目会が開催された。多くの報道陣も参加しメディアでも紹介された。弊社プラムネットは製作関係者として招待された。
お披露目会では高度救命救急センターの入澤先生らによる説明が行われた。
近未来的なカプセルというクライアントのイメージを尊重し、製造可能な形状をデザイン。床下機器の配置も含め、3Dで試行錯誤しながら設計していった。
数多くのパーツを弊社で組立。試作第1号なので現物合わせになることもあった。
※消防・防災用品の専門商社「赤尾」https://akao-co.com/products/3106/